2019.1.28
これまでに導入した機材のレビュー記事です。2年以上使用した機材の中で、投資効果(費用対効果)が高いと思ったものをまとめました。
個人で導入した機材であり使用感は主観によるものですが、デザイナーおよびフロントエンドエンジニアの視点も含まれているかと思います。制作環境づくりや機材選びの参考になれば幸いです。
以下で紹介する機材は、制作に集中して自らのパフォーマンスを最大限に高めることを目的として使い始めました。より具体的には次のことを目的としています。
使用機材の中で特に投資効果が高いと感じているのがハーマンミラーのアーロンチェアです。2013年から使い始めました。長期的な視点で考えると、導入する優先度が高いと感じます。
※私が最初に購入したのは以前のアーロンチェア(ポスチャーフィットタイプ)です。2019年1月時点でリマスタードという新しいモデルが出ており、リマスタードモデルに買い替えました。
椅子としては高額ですが、疲れにくく制作に集中しやすいため投資効果が高いと感じており、メリットがデメリットを上回っています。
機材投資の予算配分において仮に予算が30万円ある場合、Macと椅子に限定した大雑把な例えですが「Macに28万円、ワークチェアに2万円」をかけるよりも「Macに15万円、アーロンチェアに15万円」をかけたほうが作業効率が上がり、健康を維持しやすいと思います(実際には他にも必要なものが数多くあります)。
購入前にエンボディチェアやミラチェアも試してみましたが、自分にはアーロンチェアの座り心地が1番合っていると感じました。ただ座り心地は個人差があると思います。
2020年8月28日追記。ペリクルサスペンションは12年保証の対象外とのことなので、注意してください。保証書にはペリクルサスペンションも含まれるように記載されていますが、実際には保証対象に含まれないようです。
アーロンチェアの品質自体には満足しておりお勧めできるのですが、保証対象の曖昧さには不安を感じます。今後は保証期間と保証対象が明確になることを望んでいます。
WacomのIntuos(インテュオス)というペンタブレットです。サイズの大きなIntuos 4 Largeを2011年から使用しています。元々はマウスを使っていましたが、手首や腕の負担が原因で腱鞘炎になってしまったことがきっかけとなり、負担軽減のために操作デバイスをペンタブレットに変えました。
※記事投稿時点でIntuos 4の後継機が、Intuos Proという名称で販売されています。2022年11月現在、Intuos Pro Largeを使用しています。
物理的にスペースを占有してしまうことがデメリットではありますが、自分にとってはメリットがデメリットを完全に上回ります。
Intuos 4 Large(ペンタブレット)を使い始めてからは手首の負担が減り、作業効率が上がりました。なおPCはペンタブレットで操作しており、マウスを使うことはほぼありません。ペンタブレットとキーボードとの相性も良く、ショートカットキーも問題なく使えます。
デュアルディスプレイ環境でペンタブレットを使用する場合は、マッピング画面切り替え機能を使うことで複数の画面を行き来できます。
またペンタブレットには物理的なファンクションキーが付いています。自由にカスタマイズできるため、自分の場合は「デスクトップの表示」、「マッピング画面切り替え」、「プレシジョンモード(精密な操作をする時に一時的にマウスカーソルの移動速度を下げるモード)」などよく使う機能を割り当てています。
ペンは付属の標準ペンからプロペン(KP-503E)に買い替えており、別売りの木製グリップを取り付けて使っています。
東プレのRealforce(リアルフォース)というキーボードです。Realforceには数多くの種類がありますが、All 30g荷重タイプであるSJ38C0という型番のキーボードを2014年から使用しています。
Realforceを選んだ理由は、手や指の負担を減らしたいと思ったためです。HHKBにも興味があったのですが、All 30g荷重でテンキーが付属しているRealforceを選びました。
2020年8月28日追記。2019年4月ごろからはRealforce R2A-US3-BKを使っており、SJ38C0は使っていません(キーボード配列がUSとJISで違うため)。Realforce R2A-US3-BKも使い心地が良く、購入後から継続的に使い続けています。
Realforceを使い始めてからは手や指への負担が軽くなり、キー入力がしやすくなりました。Macで使う場合にはキーリマッピング設定が必要ですが、1度設定すればそのまま使い続けられます。SJ38C0はキーを打ち込む際の軽さが特徴です。その押し心地の軽さから少ない力で入力できます。
これまでにApple純正のキーボードやFilcoのMajestouch(マジェスタッチ)なども試してきましたが、自分にとってはRealforceが最も使いやすいと感じています。
SJ38C0はJISキーボードです。購入当時にAll 30g荷重のUSキーボードが存在していなかったため、JISキーボードを購入しました。All 30g荷重のUSキーボード(R2A-US3-BK)が今後発売予定のようで期待しており、発売後に試したいと思っています。
元々はキー入力時の負担軽減のために購入したものですが、ペンタブレットを置いたときの段差を埋めるクッション材として今でも活躍しています。2009年から使い始めました。
ペンタブレットやキーボードを使うときに、パームレストが自分の肘の位置に来るように配置して使っています。手首と肘の両方が楽になって便利です。適度な固さと柔軟性を合わせ持っていることが特徴で、使い心地が良いです。
EIZOの27インチのノングレアディスプレイです。液晶ディスプレイの中でも画質や色の再現度が優れていると感じます。2014年から使っています(型番はFlexScan EV2736W-FSBK)。
ノングレア液晶のため反射光が抑えられており、制作に集中しやすいです。表示も安定していて制作向きのディスプレイだと思います。2017年からはEIZO FORIS FS2735を追加して、複数ディスプレイ環境を構築しています。
ペンタブレットやキーボード、27インチディスプレイ2台などを設置するための大型のデスクです。天板が白木のものを選択しました。2013年から使用しています。ペンタブレットを使う前提のため、「奥行が80cm以上あること」を条件としてを選びました。
広いデスクスペースを確保できることが最大の利点です。また頑丈な作りで安定感があり、満足しています。設置が大変というデメリットがありますが、設置場所を変える頻度が少ないため問題とは感じていません。
長さは横幅180cm、奥行80cm、高さ72cmです。Intuos 4 Large、Realforce、27インチディスプレイ2台、Mac Pro (late 2013)、ハードディスク5台を設置してもノートにメモをしたり本が読める程度のスペースを確保できます。
スペック不足による制作時の待ち時間をなるべく減らしたかったので、2014年にMac Pro (Late 2013) 6コアモデルを購入しました。高性能なMacで幅広く活用しています。
主な用途はIllustratorやPhotoshopによるデザインや画像加工、コーディングなどです。またAfter Effectsによるアニメーションの習作やPremiere Proによる5分程度の動画編集など、新たなことに挑戦するきっかけにもなりました。
動作が安定しており、2019年1月時点でもUIデザインやWebデザイン、コーディングなどでスペック不足を感じません。ですが2019年1月時点で購入を検討するのであれば、MacBook Pro 13インチのカスタマイズモデルか、Mac mini (2018) のカスタマイズモデルを選択したほうが費用対効果が高いと思います。
MacBook Pro 15インチではなくMacBook Pro 13インチをおすすめする理由は、Touch Barではなく物理的なファンクションキーが備わっているモデルのほうがデザイナーやエンジニア視点では使いやすいだろうと考えるためです(実機で検証したわけではないので、あくまで推測ですが)。
Western Digitalの3.5インチハードディスクです。2015年から3TB(WD30EFRX)および4TB(WD40EFRX)のハードディスクを通算4台購入して使っています。使用の際には別途ハードディスクケースが必要です。
耐久性が高く、運用しやすいです(Western DigitalはNAS環境へ対応可能であることをアピールポイントにしています)。データ管理とバックアップの重要性は特に感じており、基本的には全データをバックアップできる体制で運用しています。
バックアップにはMac標準のTime MachineとCarbon Copy Clonerという有料のバックアップ用アプリケーションを活用しています。
WD Redを使う前はLaCieのハードディスク(LCH-2D3TQS)でデータを管理していました。LaCieのハードディスクも耐久性が高いと感じましたが、価格や耐久性に加えてケース選択の自由度など総合的に考慮して、現在はWD Redで運用しています。
WD Redを収納しているハードディスクケースです。音が静かで安定しているところが利点です。2016年6月から使っています。
安定して使用できているので印象が良いです。外付けハードディスクとしてケース込みで販売されている製品と比べて、運用しやすいと感じます。同じハードディスクケースを複数運用する場合は、どのケースにどのハードディスクが入っているか把握しやすいようにラベリングすると便利です。
自分に合う良い機材はパフォーマンス向上につながります。初期投資として費用はかかりましたが、長期的に見ると投資効果を実感できています。この記事が機材選びの役に立てたら嬉しく思います。
新たに追加した道具について記事を書きました。主に集中しやすい環境づくりを目的としたものです。