2019.2.17
WordPressの記事管理方法についての記事です。当Webサイトの公開後、記事の管理方法をカテゴリー管理からタグ管理に変更しました。この記事は変更した理由とメリットやデメリットに感じたことのメモです。
先に結論を述べますと、カテゴリー管理とタグ管理のどちらも正解だと思います。さらに記事の分類数が少ない場合は、いずれの管理方法であってもWebサイト運営にそれほど大きな差は無いかもしれません。その上で自分は現状ではタグ管理を選び、運用のしやすさを検証しています。その理由をまとめました。
となっています。
WordPressで記事を管理する方法は、「1つの記事に対してメインのカテゴリーを1つ指定し、カテゴリー以外の属性で記事を分類する場合にタグを用いる」というのが主流だと思います。
ですが運用のしやすさや管理のシンプルさを追求してみたいと思い、思い切ってカテゴリー管理からタグ管理に変えました。以下が主な変更理由です。
カテゴリー管理からタグ管理に変更して1ヶ月ほど経ちましたが、今のところ特に困ったことは起きておらず、管理しやすくなったと感じています。
※「タグ管理のみ」と書いていますが、厳密にはWordPressの仕様上カテゴリーが最低1つは必要になるので、Allという名前のカテゴリーを1つ用意しています。そのAllカテゴリーに全てのブログ記事が含まれています。
WordPressの公式ドキュメントを見ると、カテゴリーとタグの違いはデータ上の階層構造を持っているか否かということのようです。
categories: a hierarchical taxonomy that organizes content in the post Post Type
tags: a non-hierarchical taxonomy that organizes content in the post Post Type
WordPress Developer Resources
カテゴリーは階層構造を持っており、タグは階層構造を持っていません。
※補足情報ですが、WordPressの歴史的にはカテゴリー分類が昔からある機能です。タグ分類機能はWordPress 2.3のバージョンから実装されたようで、タグ分類機能のほうが新しいです。
以下がメリットに感じたことです。
例えば「UIデザイン」と「コーディング」という属性(分類)があるとして、その両方に当てはまる記事の場合はどちらに分類するか迷ってしまいます。ですが1つの記事に複数の属性をタグとして与えて良いというルールにすることで、分類の際に迷いにくくなりました。
複数属性の分類で迷うこの問題は、「コウモリ問題」という名前が付いているほどに一般的な問題のようです。
こうもり問題(こうもりもんだい)とは、情報や物品を分類する際に生じる問題の一つである。すべてのものや情報は、利用される文脈に応じて複数の属性を持ち得る。しかし、階層構造のように、各項目を木構造の末端にあてはめて分類する方式(図書館資料など)では、項目が持つ複数の属性のうちの一つだけに着目しなければならないという制約がある(たとえば「自民党税制調査会の記録は政治と税金のどちらに分類するか」など)。こうもり問題とは、その制約が原因となって生じる諸問題を指す。
Wikipedia
コウモリ問題を解決する方法が、タグ付けによる分類(複数の属性付与を可能にする分類)だと考えています。
以下はデメリットに感じたことです。
WordPress標準の管理画面では、カテゴリーはチェックボックスで設定できるUIになっていて使いやすいです。一方で記事にタグを登録する場合、テキスト入力欄にタグ名を入力するUI(ユーザーインターフェイス)となっています。
タグ名の入力欄には自動入力補完による入力補助機能がありますが、それでもチェックボックスでチェックを付ける操作に比べると手間がかかります。そこで改善方法としてタグの登録でありながらカテゴリー登録と同じUIで操作できるようにするためのカスタマイズをおこないました。
上記のカスタマイズが必要になる点が、工数上のデメリットと言えます。また特定カテゴリーの中かどうかの条件を判別する条件分岐タグであるin_category()を利用できる場面が減るというデメリットがありますが、元々使用していないタグだったので、このサイトでは今のところ困ったことはありません。
どちらかというとデメリットのほうが目立ちます。そのため特に理由がなければ「カテゴリーのみの管理」や「カテゴリーとタグを併用した管理」でも良いのかもしれません。
ただ記事分類においては階層構造よりタグ付け分類のほうがすっきりと整理しやすいと考えており、それならタグ管理のほうがより自然に感じられるという理由でタグ管理に変更しました。
※例えが難しいですが、「ファイル名のルールを揃えたい」や「書類を種類ごとにまとめたい」という感覚に近いと思います。
そもそも論になりますが、1つの記事に対して複数のカテゴリーを登録することは可能です。表示上もタグによる管理方法と特に変わることはないので、Webサイト利用者としてはカテゴリー管理であってもタグ管理であっても、何ら変わりないはずです。ではなぜタグ管理に変更したかというと、以下が主な理由です。
もう1つの「記事に対して複数のカテゴリーを登録すると、SEO上で不利になるという情報が見かけたため」というのは、自分で検証したわけではないので実際のところは不明です。カテゴリーかタグかの違いでSEOに影響する可能性は低いと思いますが、念のためタグ管理としました。
これまでの内容をまとめます。
記事の冒頭にも書きましたが、カテゴリー管理とタグ管理はどちらも正解だと思います。一方で分類方法としては、コウモリ問題を回避できるタグ付けによる分類のほうが優れていると感じるので、タグ付けの分類をシンプルに管理できる「タグ管理」は検討価値があると考えています。