複数人で情報を共有する場合やブログ記事を作成する場合など、Markdown形式の階層構造で情報を整理することが多くあります。一方で思考整理にはマインドマップが便利であるという情報も目にします。
Markdown形式の文章とマインドマップでは情報を構造化・階層化して整理する点で共通している認識ですが、マインドマップならではのメリットがあるのかについて知りたくなり、それぞれの特長やメリット・デメリットを比べてみました。
比較のきっかけ
- 情報を構造化・階層化して整理する点で、Markdownとマインドマップで共通しているのでは?
- それなら共通フォーマットが普及しているMarkdownのほうがメリットが多い?
- マインドマップを使うことにはどういったメリットがあるんだろう?
前提
- Markdown形式での文章作成は、汎用性や階層構造の整理がしやすい点で便利だと思っている。
- マインドマップをあまり使ったことがない。以前に手書きで試した程度。
- 良い使い方や使い分けがあるのかを知りたい。
これらの前提のもと、マインドマップのアプリを試してみて思ったことをまとめてみます。
結論
マインドマップは使い始めとしての感想になりますが、それぞれ以下の用途に向いているように感じました。目的や段階によって使い分けると良いのかなと思います。
Markdown向き
- 複数人で共同編集する。
- 複数の媒体で扱いたい。
- 編集のしやすさが優先される。
- アイデアの収束。
- 決まったことや議決事項の記載。
マインドマップ向き
- 情報を俯瞰して見たい。
- 階層ごとに情報を比較したい。
- 複雑な情報整理・理解の手助け。
- アイデアの拡散。
- 発想を広げたい。
マインドマップを実際に使ってみた
使い始めて気付いたことをマインドマップ上で書き出してみました。以下、マインドマップに書き出したものと同様の内容をテキストでも記載していました。
Markdown
特長
メリット
- 他の人と共有・共同編集しやすい。
- データフォーマットが共通化されているので共有しやすい。
- データ的に長持ちしやすい。
- 利用しているアプリケーションやサービスが終了しても引き継ぎやすい。
- 他の媒体にデータを移しやすい。
- ブログに活用しやすい。
デメリット
- 情報量が増えてきた場合に俯瞰しにくい。
- 上下のスクロール量やスクロール回数が増える。
- 対策:サイドバーに見出しのインデックスを表示することで大枠のアウトラインを俯瞰できる。
向いていると思う使い方
- 複数人で共有する。
- 複数の媒体で扱いたい。
- 編集のしやすさが優先される。
マインドマップ
特長
メリット
- 横方向の広がりがあるので一覧性が高い・俯瞰的に見やすい。
- 階層ごとに情報を比較して見られる。
- 属性の異なる情報は下方向に見ていく。
- より深堀りしたい情報は右方向に見ていく。
- という使い分けができる。
- 階層構造が視覚的にわかりやすい。
- 操作の手間が少ない。
- 自動的に階層構造で情報を整理できる。
- 情報の移動がドラッグのみでできるのが楽。
- マップ上に展開している(横方向がある)ので、情報を位置という概念でも捉えることができる?
- もっと使い込んでいかないとメリットかどうかまだわからない。
デメリット
- 複数人での共有するハードルはやや高い。
- アプリケーションのファイル形式依存なので。
- 対策:Markdown形式で書き出す・Web共有するなどのカバー手段はある。
- アプリケーションがサービスを終了した場合に過去のファイルが開けなくなったり、移行する必要が出てくる。
向いていると思う使い方
- 複雑な情報を整理したい。
- アイデアを出す。
- 発想を広げたい。
- キャッチコピーを複数並べて比較する場合にも良いかも。
- 情報を俯瞰して見たい。
- 俯瞰しながら属性で分類したり、整理したりすることにも向いていそう。
アプリケーションの比較
macOS用のアプリをいくつか使ってみた結果、Xmindが使いやすいと感じました。
使ってみたアプリ
- EdrawMind
- MindNode
- Xmind
- MindSpace
アプリに希望したこと
- 操作しやすい。
- 必要な機能に絞られていてUIがシンプル。多機能なことを訴求しているアプリは避けたい。
- 動作が軽快。
- より少ない動作でやりたいことができる。
- 買い切りアプリである。
- 持続性が期待できる。アップデートが継続されている。
Xmindのメリット
- 標準でオブジェクトに対して文字が中央に配置されている(結構ずれてるアプリが多かった)。
- Intuos Pro(ペンタブレット)でのスクロール操作がしやすかった。EdrawMindではスクロール操作が早すぎて使いにくい問題があった。
- トピックの横幅を自動で揃えてくれる「トピックの整列」機能が便利。各トピックの行頭が自動で揃うので見やすい。
- 動きや挙動が自然で、macOSとの親和性が高いと感じた。
Xmindのデメリット
どのアプリも良いところがあったのですが、使い心地の観点でXmindが良さそうに感じました。
まとめ
結論で記載したことの振り返りですが、大きく分けて次のような違いがあるように感じました。マインドマップはこれからもう少し試してみようかと思います。
Markdown向き
- 複数人で共同編集する。
- 複数の媒体で扱いたい。
- 編集のしやすさが優先される。
- アイデアの収束。
- 決まったことや議決事項の記載。
マインドマップ向き
- 情報を俯瞰して見たい。
- 階層ごとに情報を比較したい。
- 複雑な情報整理・理解の手助け。
- アイデアの拡散。
- 発想を広げたい。